木下

米主要500社、6四半期減益へ(2009.01.06)

2009年01月06日


1.【米国ほか】米主要500社、6四半期減益へ


(出所)2009年1月5日付日本経済新聞朝刊3面より



 ●足元の業績は悪化傾向
 ●株価はすでに織り込んでいる
 ●焦点は、“来期業績”がどうなるか


米主要五百社の2008年10―12月期の純利益は前年同期比1.2%減少し、6四半期連続での減益となる可能性が出てきた。減益幅は7―9月期(18.7%減)より大幅に縮小するが、01年のIT(情報技術)バブル崩壊後の5四半期連続の減益を超す長期の業績悪化となる。(業績予想は米調査会社トムソン・ロイターが2日時点のアナリスト予想などを集計)また、中国政府は5日、中国の大手国有企業(中央企業)約140社の2008年1―12月の利益総額が前年比30%減の7000億元(約9兆5000億円)となったと発表した。前年水準を下回るのは02年以来6年ぶり。


日本も年度決算では、現在前年同期比3割減益が見込まれているが、もう少し悪化し当期純利益は特別損失の影響などから4割から5割程度の減益になってもおかしくはない。しかし、いま重要なのは、すでに“来期”の見通しだ。日本でいえば、数か月後の09年3月期ではなく、2010年3月期の予想をすでに投資家は行っていかなければならない。


ポイントとなるのは“全体”と“産業”。徹底的な現場取材と、データを駆使した細かい作業が必要となってくるが、これをどこまで徹底的に行うかが勝負の分かれ目だと考えている。詳細は近いうちに「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?(ゴールドリポート)」で個別銘柄の説明と共に紹介するつもりだ。


「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?(ゴールドリポート)
http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/68/P0006893.html 





2.【米国】NY原油続伸、2月物48.81ドルで終了


(出所)2009年1月6日付日経速報ニュースより



 ●原油価格が急騰
 ●中東情勢が価格を上昇させたという理由は本当か?
 ●収縮したリスクマネーが戻り始めている証拠


5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続伸。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2月物は前週末比2.47ドル高の1バレル48.81ドルで取引を終えた。中東情勢悪化などを手掛かりとした買いが続いた。


週末にイスラエルが地上軍をパレスチナ自治区ガザに侵攻させた。イランがイスラエルを支援する国への石油供給の停止をイスラム諸国に呼び掛けたと報じられるなど、中東情勢緊迫化が供給減につながるとの思惑が出た。ロシアのウクライナ向けガス供給停止やナイジェリアでの情勢悪化なども相場を下支え。一時は49.28ドルと期近物として昨年12月15日以来の高値を付けた。


原油価格を見る上で、中東情勢はたしかに理由としてあがるケースが多い。しかし、OPECの過去最大の減産報道があっても価格は下落することがあるように、中東情勢は“げたを履く”程度と考えなければならないと思っている。むしろ、収縮していたリスクマネーが戻り始めている、と判断すべきではないか?


原油価格は、1バレル50〜60ドル台が適正だと考えている。直近、資源関連株は全世界的に上昇した。これが続くと見るのか、一過性と見るのか、難しいレベルになってきたことは間違いない。資源は、いまや株や債券等のリスクアセットと相関関係にあると見るべき。全体の中で判断していかなければ、見誤る。





3.【日本】平均株価予想3000円と13000円


(出所) 2009年1月5日付日本経済新聞夕刊1面より



 ●先行き不透明だからと言って
 ●株式市場は、いつも荒波
 ●投資と真摯に向き合うことは、人生の修練にもつながる



「ワーストシナリオは3000円」モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信が昨年12月、都内のセミナーで配布した年金運用の冊子のなかに、09年3月末の日経平均株価予想のひとつとして、こんな予想があった、とのこと。同社のストラテジストのひとりが語っているらしい。しかし、3000円説をとるストラテジストのベストシナリオは13000円。最悪と最善の差が10000円もあるとのこと。


とやかく言うつもりはないが、これで給料がもらえるというのは良い商売だな、とつくづく思う。中身や分析の手法、前提条件等々見ていないので何とも言えないが、少なくとも、株式市場を予測し、投資家として行動している人間から見れば、“投資を経験したことがない”からこうした意見を言えるんだな、とも思う。


実際のファンドマネジャーは、ポートフォリオを構築する際、こういったストラテジストの意見を聞いていたら命がいくらあっても足りない。投資には、誤解を恐れずに言えば“自分の意見を偏らせて集中的に資金を投下する“ことが求められる。予測する水準ももちろん重要だが、方向性というのは極めて重要なファクターだ。私は、書籍等で、2015年までに平均株価の水準は30000円になってもおかしくはない、と2004年から言っている。それは変わらない。また、09年は”雇用なき株高”となると考えている。


投資には、自分の生き方が現れる。自分の哲学が問われる株式市場では、自分の意見を真正面からぶつけていく姿勢がなければ弾き飛ばされてしまう。理論は、その姿勢がない人には、意味をなさない。

不良資産の将来損失、米政府が肩代わり(2009.01.05)

2009年01月05日


1.【米国】不良資産の将来損失、米政府が肩代わり


(出所)2009年1月4日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●米政府が不良資産肩代わり制度導入を発表
 ●11月末にシティグループに実行した救済策を拡大
 ●信用恐慌に歯止めをかける上でさらなる前進策


米財務省は2日、金融機関の保有する不良資産から将来生じる損失を政府が肩代わり保証する制度を導入したと発表した。昨秋のシティグループ向けで実行した救済策を、他の金融機関でも利用できるようにした。金融機関の損失拡大を防ぎ、貸し渋りなどの信用収縮に歯止めをかける狙い。


導入した新制度は、金融安定化法に基づくもので、金融・経済活動に不可欠な金融機関が対象。債権者や取引先の連鎖倒産の可能性などを勘案し、米政府が「個別に適用できるか判断する」としているが、金融システムの根幹を担う大手行が主対象になる公算が大きい。保証の財源は金融安定化法の総枠七千億ドルを使う。


不良資産そのものは金融機関が自ら売却しない限りバランスシートに残るが、損失が膨らみにくくなるとされる。昨秋のシティ救済では、住宅ローンや商業用不動産などで3060億ドル(約28兆2000億円)の不良資産を対象に、将来発生する損失の大半を政府が肩代わりする仕組みだった。今回の新制度導入によりシティ型救済を他行にも広げ「大手行はつぶさない」との米政府の姿勢を改めて明確にした。


世界のリスクアセットを俯瞰する上で、明らかに景色が変わったのは、シティグループに対する米政府の支援が発表されてからだ。その後、債券市場では信用回復が鮮明になり、外国為替市場でも、ドルの一本調子の上昇がストップした。また、国際商品市場でも、遅れること1か月、マネーが流入し、原油価格は年末から急騰している。


09年は、08年に経験した金融恐慌に端を発した信用恐慌は起こりにくくなっていることは確実だ。ということは、株価が暴落する可能性も低くなっているということ。09年、悲観する必要はない。





2.【日本】岡本アソシエイツ代表岡本行夫氏に共感


(出所)2009年1月5日付日本経済新聞朝刊3面より



 ●存在感が低下する日本
 ●一金融マンとして、この現状を嘆いているわけにはいかない
 ●米国、中国という強大国を、深く理解していく必要がある


年末・年始と08年を振り返りながら、09年のことを考え、文章にまとめる作業を行った。投資だけではなく、経営者としての自分を見つめ直す作業だったり、自身が経営する会社の方向性をまとめたり、と有意義な時間を過ごすことができた。


いろいろな分野を考えたわけだが、共通していたキーワードは”海外”だった。投資に関しては日本だけを調査・分析していても何も分からないということを改めて実感し、さらに、自分自身や会社経営を考えても、海外を抜きには語れない、と考えるようになった。そうしたことを考えているとき、本日日本経済新聞にインタビュー記事が掲載されている岡本アソシエイツ代表岡本行夫氏の言葉、考え方に深い共感を覚えた。一部抜粋したいと思う。


――米国の圧倒的優位は弱まっています。
「米国のことをダメだダメだと言っても、世界を引っ張っていける国はほかにない。若くて人口が伸びている国、資源が豊かな国、テクノロジーを持っている国、経済システムが透明でアカウンタビリティー(説明責任)がある国。この四つの要素をすべて備えているのは米国だけだ」


――中国の台頭にはめざましいものがあります。日本はアジアでの地位を維持できますか。
「中国はアジアで圧倒的な経済大国になっていく。我々はその事実に心理的に対応できていない。懸念しているのは中国がアジアで責任ある行動をとり、日本が国際社会で異端視されていくことだ。これはすでに始まっている」「ゼーリック元米国務副長官は『アジアの真のパートナーは中国だ』と常に言っていた。日本の存在がかすむ」





3.【日本】理想のオフィス


(出所) 2009年1月5日付日経産業新聞20面より



 ●09年は、株価は別にして近年で最悪の年になる
 ●オフィス環境だけは手をつけてはいけない
 ●特に、パソコンやイス、机の類は日々接するものだから重要


09年は08年に比してさらに苦しい1年となる。特に、雇用の問題は深刻化するだろう。給与水準は現状維持であれば御の字であろう。その中で、私も取材の中心は“リストラ”であるし、自身が経営する企業もコスト削減に取り組んでいる。


それでも、私が最後までコスト削減をしないと決めているのが、「オフィス環境」だ。特に、パソコンや机、イスといった備品だけはコストを削減するつもりはない。


今まで、パソコンといえばWindowsXPを使用し、イスは腰が痛くなる決して良いイスではなかった。銀行員時代はさらにひどかった。机も無機質なオフィスデスクだった。そういった環境は、クリエイティブな発想を社員に与えられないのではないか、と考えてきた。常に接するオフィス環境というのは、毎日接するが故に、自分仕様に合わせたいとずっと考えきた。


そのため、独立してパソコンはマックに変え、イスも腰に負担がかかりにくいものにした。机も、無機質なものではなく、色や質感が自分に合うものにした。


職業柄、書きものなど、自宅で仕事をすることも多い。自宅も“理想のオフィス”に変えようと、年末・年始にいらないものをバッサリ捨てることにした。不景気の今、身の回りを変えるだけでもずいぶんと心持が変わるように思う。

中国の個人投資家、08年は94%が株で損失(2008.12.30)

2008年12月30日


1.【中国】中国の個人投資家、08年は94%が株で損失


(出所)2008年12月30日付日本経済新聞朝刊7面より



 ●株式投資で苦しんでいるのは日本だけではない
 ●いま、投資を減らして徐々にやめる、のか
 ●自分で考え、あとは、好きか嫌いかを問うてみる


中国の国営新華社系の有力証券紙「上海証券報」などが実施した個人投資家対象のアンケート調査で、2008年に株式投資で損失が出たとの回答が94%に達した。「消費水準が明らかに下がった」との回答は7割に達し、株安が個人消費に与えている影響も改めて浮き彫りになった。


調査は金融専門サイト「証券之星」と共同でネット上で実施。28日までに2万5110人の回答を得た。08年に株式投資で利益が出た人はわずか6%。保有株式の下落率が7割を超えた人は6割を占めた。


総資産の5割超を株式投資につぎ込んだ人は7割。このため株価下落の影響は大きく、2割は「住宅や車の購入計画を見直した」。09年に追加投資をするとの回答は26%にすぎず、53%は「投資を減らして徐々にやめる」としている。


今年1年は多くの投資家にとって受難の年となった。たしかに、“100年に一度の恐慌”と言われると、投資をやめたくなる気も分からないでもない。しかし、規模の程度はあれど、投資を続けている限り受難の年は必ず起こりうる。かつてのように、郵便貯金にせっせと貯金していれば10年経過すれば2倍になった時代はもう来ない。


自分で物事を考え、自分で責任をとる姿勢を持つことで投資から学ぶことは大きい。投資で苦しんでいるのは日本だけではない。投資は苦しい時に勇気を持って市場に居続けることができるかどうかが本当に重要だ。最終的には、投資をすることや投資について考えることが好きか嫌いか、ということに集約されると思う。





2.【日本】4―10月の対日直接投資4割減 


(出所)2008年12月30日付日経産業新聞1面より



 ●金融危機の影響でマネーが滞留するのはどこも同じ
 ●例えば、一世を風靡したマカオはどうか
 ●マネーはいつまでも滞留し続けない



金融危機の影響で、外資による国内企業買収や日本法人の設立といった対日直接投資に急ブレーキがかかっている。


財務省・日銀の国際収支統計によると、08年4―10月の対日直接投資額(実行額ベース)は3兆4200億円と前年同期比36%減少した。07年度には約9兆円、1カ月あたりで7000億円規模の投資があったが、08年度は8月以降に前年度の半分程度となる月3000億―4000億円程度まで落ち込んでいる。


しかし、これは日本だけにとどまることではない。マカオで3カ所のカジノリゾート(サンズ・マカオ、ザ・ベネチアン、フォーシーズンズ・ホテル・マカオ)を運営しているカジノ大手の米ラスベガス・サンズは、資金繰りの悪化から開発案件の凍結から従業員の賃下げに至るまで苦境を乗り切る戦時体制を敷いている。一時は150ドルに迫る勢いだった株価も、今では5ドル台に沈んでいる。


●Las Vegas Sands Corp.(Public, NYSE:LVS)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3ALVS 


ただし、マネーはいつまでも滞留しているわけではない。儲かる先をいつも虎視眈々と狙っている。さらに、米国は実質的なゼロ金利政策まで採用、日本よりも金利が低いという状態としているのだ。いずれ余ったマネーが大挙して流れていくことだろう。09年は、急激に収縮したマネーが拡散する年となってもおかしくはない。





3.【日本】イオン、最終赤字の公算


(出所) 2008年12月30日付日本経済新聞朝刊11面より



 ●イオンが米子会社業績悪化のあおりで下方修正の可能性
 ●株価はすでに織り込んでいるのでは
 ●09年度の予想をいまから行っておくことが


イオンの2008年3―11月期の連結業績は、最終損益が赤字となった公算が大きい。米衣料販売子会社のタルボットが実施した保有資産の減損処理や、会計処理の変更に伴う繰り延べ税金資産の取り崩しなどが響く。タルボットが婦人服ブランド「ジェイ・ジル」を売却する方針を固め、同ブランドや店舗の減損処理を実施。連結ベースで190億円程度の特別損失が生じる。


イオンはメーカーの販売協力金などにより、12月―09年2月期の収益寄与度が大きい。ただ秋以降、消費者心理が一段と悪化しており、09年2月期通期の同社の予想純利益(前期比66―75%減の110億―150億円)を下方修正する可能性がある。


日本経済新聞社が26日、2009年3月期の見通しを集計したところによると、11月の上半期決算発表時点の集計(25%減)から1カ月あまりで7ポイント減益幅が拡大したという。ただし、中身を見ると、11月集計と比べた下方修正幅の6割を自動車、3割を電機が占め、業種の減益率はそれぞれ81%、47%に拡大している。つまり、外需がほとんど、というわけだ。


これから内需企業の中には、本格的に下方修正を行っていく企業が出てくるだろう。しかし、株価はどうか。一時的に株価にマイナスインパクトを与える可能性はあるが、今期業績の悪化はすでに織り込んでいる可能性が高い。


すでに、株式市場の焦点は09年度に向かっている。いま行わなければならないのは、09年度の業績予想となる前提をできる限り集めておくことだ。決算期が早い小売業から注目していくのが定石だろう。

米年末商戦、失速鮮明に(2008.12.25)

2008年12月25日


1.【米国】米年末商戦、失速鮮明に


(出所)2008年12月25日付日本経済新聞朝刊11面より



 ●北米消費は、予想以上の悪化
 ●過去例をみない、という聞きなれたフレーズが当てはまる
 ●株価は、悪化を織り込んだのか?


景気後退を受けて低調なスタートを切った米国の年末商戦が12月中旬から、失速の様相を強めている。主要小売業の既存店売上高は前年実績割れに転じ、家電や衣料品の大幅な値下げにもかかわらず客足の減少が続いている。


国際ショッピングセンター協会(ICSC)によると、主要小売業の既存店売上高(週次)は12月第2週(7―13日)に前年同期比0.4%減と、3週間ぶりの前年割れに転じた。第3週(14―20日)は0.6%減と下落幅が拡大。


ICSCは12月の主要各社の既存店売上高の見通しを「前年より1%以上減少する」として、従来予想(1.5%増)から大幅に引き下げた。39年間で最大の下げを記録した11月(2.7%減)に続き、不調に終わる公算が大きくなっている。ロイター通信は、(調査開始以来の)過去40年間、年末商戦の売り上げが前年を下回ったことはないと伝えた。


ただし、株価はどうか。株価はこうした指標の悪化にも関わらず、昨日の米NYは好調に推移した。世界最大手の小売業ウォルマートや、家電量販店ベストバイなど、小売株も同様だった。


ウォルマート/ http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AWMT

ベストバイ/ http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3ABBY


直近の大幅下落で、短期的にはマクロ環境の最悪環境を織り込んだ可能性がある。下値不安が解消されたとしたら、統計数値の悪化が悪材料出尽くしとなった可能性を考えておかなければならない。





2.【米国】船井電、厳冬期の販売攻勢


(出所)2008年12月25日付日経産業新聞3面より



 ●苦しい中で、売って出る船井電機
 ●落ち込みを“販路拡大”でカバーできるか
 ●短期的な反動が持続するかが焦点に


船井電機が、電機大手が業績不振に苦しむ逆風下で攻めの戦略に転じる。オランダの電機大手フィリップスから、今年4月の北米の薄型テレビ事業取得に続き、同地域のAV(音響・映像)事業すべてを譲り受ける。


昨年末、船井は液晶パネルの不足から製品の供給不足に陥り、得意とする流通大手ウォルマート・ストアーズなどで「棚」を新興ブランドなどに奪われた。フィリップスからの事業取得は、販路を継承し、「棚」を再び取り戻す足場となる。


フィリップスの販路だった総合小売りの「ターゲット」に営業攻勢をかけており、「来年、ターゲットの店舗はほとんど船井のテレビで埋め尽くされる」と船井幹部は意気込んでいるようだ。これら一連の施策を受け、低迷を続けてきた同社株価は急反発している。昨日は日経平均株価が206円安となる中で、7%高で着地している。


船井電機(6839)/ http://charge.quote.yahoo.co.jp/q?d=t&s=6839  


北米消費が落ち込むのは、投資家のコンセンサスになっている。来年はさらに企業による賞与カットや人員削減が相次ぎ、消費者の購買意欲は減退するだろう。が、株価はどうなるか。


問題は均衡点。株価が来年の悪化を織り込めば反発していく。“雇用なき株高”を考え始めるタイミングが来ている。





3.【日本】年末モードでもヒントを探す努力をする


(出所)各種報道より



 ●株式市場は休暇モード
 ●株券電子化も大きな影響
 ●それでも、ヒントを見つけ出そうとする姿勢を持つ


2009年1月5日の株券電子化に伴う株式分割のため、NTTや三井住友FG、みずほFG、JR東日本など合計18銘柄がきょう25日から30日まで4営業日の間、売買停止となる。


時価総額が大きい一部の大型株の取引ができないうえ、事務手続きなどを含めた運用の順調な滑り出しを見極めたいとして証券会社の自己売買部門なども売買を控えるとの見方があり、市場全体の売買は低調となりそうだ。


すでにその兆候は現れている。昨日の東証一部の売買代金は半日立ち会いを除いて2005年7月26日(1兆634億円)以来の少なさの1兆711億円だった。市場は閑散としている。


クリスマスとして思い出すのは、パナソニック(旧松下電器産業)が系列子会社を完全子会社化するニュースを発表した2001年。系列、部門が重複していることが疑問視されていた中で、グループを再編する動きは業界、投資家に大きな衝撃を与えた。その後、同社は2000億円を超える営業赤字を計上し、業績が大幅に悪化したものの、V字回復を遂げた。


今年もなにか将来を予測する“クリスマスプレゼント”はあるのか。市場が閑散でも、大きなニュースから小さなニュースまで、次につながる何かを見つけようとする姿勢は持っていたい。

08年成績、投信運用40%マイナス(2008.12.24)

2008年12月24日


1.【日本】08年成績、投信運用40%マイナス


(出所)2008年12月24日付日本経済新聞朝刊5面より



 ●投資信託の運用利回りは近年稀に見る悪化傾向
 ●長く投資の世界に携わると、何度かマイナスは経験する
 ●重要な点は、マイナスを出来る限り小さくすること


主な投資信託の2008年の運用成績を調べたところ、資産価値を示す基準価格が平均で40.7%下落した。調査会社のQUICK・QBRが、純資産残高100億円以上の追加型公募株式投信を対象に、07年末から08年12月18日までの基準価格の変化を調べた。基準価格が昨年末に比べて上がったのは調査対象の434本中わずか11本で、ほとんどの投信がマイナス運用となった。


運用成績でトップになった「日本スーパーベア5」(野村アセットマネジメント)は、日経平均が値下がりすると逆に基準価格が上昇する仕組みで、44%の上昇になった。国債など債券に投資するタイプが堅調で、上位10本中9本を占めた。


そういう意味で、今年は、現金に近い金融商品でなければ勝利することは難しかったことになる。株式投資にチャレンジした投資家は軒並み損失計上を余儀なくされているはず。


ただし、重要なことは、長い年月運用をしているとこういう年もあるということ。そのためには、苦しい時に下落率を“抑える”という発想が必要だ。私が基準価額を算出しているゴールドリポート「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか(ゴールドリポート)」は平均4割の下落に対しては、2割の下落にとどめている。まったく褒められた成績ではない。しかし、今年1年、特に年後半から学んだ事は来年を俯瞰する上で限りなく大きい。来年はもちろんプラスを狙わなければ話にならない。実績としては、過去苦しんだ後に大きなリターンが得られた。来年はその可能性がある。


※ゴールドリポートお申込みはこちら
http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/68/P0006893.html





2.【米国】事後のバブル対策は限界


(出所)2008年12月24日付日本経済新聞朝刊19面より



 ●バブルが弾けた後の批評をどう投資に役立てるか
 ●学者の意見は参考にするものがある
 ●ただし、机上の空論は参考意見にとどめなければならない


いまさらこういったタイトルで意見を述べられても困る、というのが一投資家として正直な感想だ。本日の日本経済新聞「経済教室」に掲載された寄稿文のことだ。いま重要なのは起きてしまった現実にどう対処し、さらに、その後の世界が株価も含めてどうなっていくのか、という部分。


最終的に結論を「国際通貨体制の再構築を通じて世界的なマネーの管理を積極的に考えるとき」という抽象的な内容では、何かヒントを得ようとする読者に対してリスクを回避しているように思えてならない。


また、文中に「バブルの予防的コントロールをめざす方が、FRB流の事後的対応より優れている可能性が高い。(中略)日銀をはじめ中央銀行は、物価や景気の動向を判断する指標として株価や住宅価格のような資産価格の動向に大きな注意を払うというメッセージをもっと強く発信すべきだ」とある。


すでに、グリーンスパン前FRB議長は1990年代半ばにメッセージを強く発信していたし、今回のサブプライムの事例にしても、同様だ。予防的コントロールという言葉は、実際に投資に携わっている人間からすれば、空虚な言葉ではないだろうか。


いま、投資家に求められているのは、こうした他人事の意見ではなく、実際に起こっている当局の動きを信頼し、かつ、急変する世界市場の変化に事業会社が対応している様を見て、次なる展開を愚直に予測していく姿勢しかない。いまさら事前の予防が大事だ、マネーを管理だと言っていても始まらない。学者の意見は大変貴重になるヒントの宝庫だ。だからこそ、参考にする意見は自分なりの選択眼を持って取捨選択しなければならない。





3.【日本】今年の売れ筋ビジネス書キーワードは自己啓発


(出所)2008年12月24日付日経産業新聞18面より



 ●自己啓発書が今年売れた
 ●企業を調査、分析することそれ自体が自己啓発
 ●何千時間かけてきたことは一体何か


2008年に売れたビジネス書は読書法や勉強法など自己啓発に関する本が多数を占めた。国際金融危機を機にした世界的な景気後退で、個人も仕事でよりスキルアップを求められたことが背景にあるようだ。しかし、上位に位置する書籍を見て驚いた。1冊を除いて、手に取っていなかったからだ。


手に取った1冊は、竹中平蔵氏が書かれた「竹中式マトリクス勉強法」(幻冬舎)だった。私の尊敬すべき実務者の一人として、かねてより著作を買っているため、その流れ、というわけだ。


私も振り返ると、塾を学生時代に立ち上げた時、そして、90年代後半、金融恐慌に見舞われ自分自身がどこに向かうのか、不安でならなかった20代前半に、自己啓発関係を読み漁った時期があった。


それがなぜ読まなくなったのか。答えは分かっている。それは、何千名にも及ぶビジネスパーソンとの取材を通じたディスカッションがあるからだ。


取材の内容は、経済事象から自己啓発に至るまで多種多様だ。それを何千時間と繰り返してきたことで、自己啓発書に書いてある内容は、どこかで見たことがある内容となっていることに気づいた。実際、自己啓発書を執筆している人は、なんらかの分野で何千時間も自分自身を見つめ、追及してきた人たちばかりだ。書籍を読むのと同時に、何千時間もかけられることを行っている、もしくは、つながる何かをしているかどうかが、苦しい今だからこそ大事なのではないだろうか。

ホンダ、下期営業赤字1900億円(2008.12.18)

2008年12月18日


1.【日本】ホンダ、下期営業赤字1900億円


(出所)2008年12月18日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●中間決算発表後、初めての赤字転落
 ●円高も悪影響
 ●外需企業への投資は、時機尚早


ホンダは17日、2009年3月期下期(08年10月―09年3月)の連結営業損益(米国会計基準)が1901億円の赤字(前年同期は4450億円の黒字)に転落する見通しだと発表した。従来予想は1798億円の黒字。下期に営業赤字に陥ったのは中間期決算公表以降初めて。また、業績悪化に伴い1957年の上場以来初の減配も決定。


●HONDA MOTOR CO., LTD. (ADR)(Public, NYSE:HMC)

http://finance.google.com/finance?q=NYSE:HMC 


福井威夫社長は17日の記者会見で、「11月以降、世界中で急速に新車販売が落ち込んだ」と、上期の決算発表後1カ月半で大幅な業績下方修正に追い込まれた理由を語った。


通期の世界販売は7%減の365万台と、計画を36万5000台下回る。特に北米は14%減少し、80年代以降初の二ケタ減となる。アジアなども苦戦し、販売面だけで610億円の減益要因(計画は1410億円の増益要因)となる。


また、13年5か月ぶりに1ドル87円水準となった為替も業績悪化の大きな要因だ。円高は3600億円の減益要因。


単なる在庫調整にとどまらず、稼ぎ頭であった北米は需要回復の兆しが見えない。自動車がこれだけ苦しいと、自動車部品メーカーはもちろん、素材に至るまで波及していく。海外、なかでも北米主体の企業への投資は、下方修正が一巡する来年2月ごろまでは投資タイミングとしてはまだ早いと考える。





2.【日本】富士電機のモーター事業、日本電産が買収撤回


(出所)2008年12月18日付日本経済新聞朝刊11面より



 ●日本電産がM&A案件を撤回
 ●環境変化がM&A市場にも大きな影響
 ●シナジー効果が見込めるM&Aかどうかを見る


日本電産が富士電機ホールディングス(HD)のグループ会社で産業用モーターを手掛ける富士電機モータ(三重県鈴鹿市)の買収計画を撤回することが17日、明らかになった。景気低迷による事業環境の急変で富士電機モータの収益が悪化、買収額などの条件が折り合わず、富士電機側と交渉打ち切りを決めた。世界規模で広がる急激な景気変調がM&A(合併・買収)の交渉にも影響を及ぼした。


日本電産と富士電機HDは10月1日、日本電産が富士電機モータの第三者割当増資を引き受けて6割を出資することで基本合意したと発表したばかり。2009年1月1日付で、日本電産が富士電機モータを子会社化する計画で、買収額の交渉を進めていた。


一方、環境の激変によりかえってM&Aが進展した事例も出た。進展が見られたかった三洋電機買収を巡り、パナソニック(旧松下電器産業)は三洋大株主の米ゴールドマン・サックス(GS)グループなど金融三社から保有株を譲り受けることで合意した。買収価格が低いとして拒否していたGSは投資回収を急ぐため、一転して現在の三洋の株価(17日終値で143円)より低い価格で売却に応じることにした。


M&Aは、ニュース性が取りざたされることが多いが、本当に重要なのはM&A後のシナジー創出だ。私自身、4度のM&Aを経験しているが、相手に対する尊重など、新しい会社として成長する意識がないとM&Aの効果は発揮されない。その点でM&A巧者である日本電産が富士電機との交渉をはじめ、M&Aを焦っていないことはかえって日本電産の強さを実感する事例ではないかと思う。





3.【日本】新顔グリー「ミクシィ超え」


(出所)2008年12月18日付日経産業新聞3面より



 ●IPO市場に久々の大物「グリー」
 ●東証マザーズ1位に登場
 ●ネット業界は、黎明期、成長期を経て、第3ステージへ


ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)運営大手グリーは17日、東証マザーズに株式を上場した。株式市場の低迷が続くなか、公募・売り出し価格3300円に対し初値は約1.5倍の5000円を付けた。終値ベースの時価総額は1070億円。SNS最大手のミクシィを上回り、東証マザーズ首位に躍り出た。


グリーの2008年6月期の連結売上高は29億3700万円で、最終利益は5億8200万円。これだけを見ると、3倍以上の売り上げ規模があるミクシィに見劣りする。会員数、ページ閲覧数でも、グリーはミクシィの半分弱。しかし、グリーは09年6月期に、最終利益で約5.5倍の32億円と急拡大を見込んでいる。


同じSNSといっても、ミクシィが広告モデルのSNS運営を主体とするのに対し、グリーは携帯電話向けにゲームを提供するコンテンツ開発会社の色彩が濃い。ゲーム自体は無料だが、ゲーム内で使うアイテムなどを販売する。例えば、釣りのゲームなら、いい竿を買えば、それだけ釣果が上がる。そうやって利用者に課金する仕組みを今期に確立したことが大幅増益を見込む背景にある。


ただし、グリーの上場から分かることは、時価総額の規模云々ではない。ネット関連企業の上場に目新しさがなくなっているということだ。これは、サービス、インフラ等々、新しい進化があるわけではなくなっているということを意味する。革命を経て、身の回りの普通のサービスとしてネットが機能している意味を考えなければならない。


これからはネット企業を興すより、ネットの環境を活かすことを考えていく企業が増えていくだろう。その意味ではまだネットの活用が企業ベースで進んでいるとは言い難い。ネットビジネスは、第3ステージに突入し始めた。

金融恐慌が雇用不安を増幅(2008.12.17)

2008年12月17日


1.【日本】金融恐慌が雇用不安を増幅


(出所)2008年12月17日付日本経済新聞朝刊3面より



 ●雇用不安が増大
 ●リストラモードの影響は来期に大きく現れる
 ●ポイントは来期の“当期純利益”


日本経団連は16日、2009年の春季労使交渉での経営側指針となる「経営労働政策委員会報告」を発表した。


11月上旬にできあがった第二次案では、序文に「雇用動向の急激な悪化も見込まれる中で経営者は長期雇用を大切にしていく姿勢を堅持する」と記述。「雇用安定を最優先に話し合うことが求められる」と「雇用確保」に重点を置いた。 ところがわずか1カ月後に再修正を余儀なくされる。11月から自動車、電機などの減産に伴い非正規社員を中心に雇用削減が加速、「雇用安定を最優先」とも言い切れなくなったのだ。今回発表になった方針では結局「雇用安定に努力」という表現に後退した。


大分キヤノンの問題や、日本綜合地所等の内定取り消し等、具体例を見るまでもない。もうすでに多くの企業はリストラモードに突入し、雇用削減に手を染め始めている。これは取材でも確認できることだ。


そうなると、各企業の来期業績はどうなるか。ポイントは、“当期純利益”となるだろう。営業損益が仮に回復するとしても、当期純利益が、特別損失の計上などにより減益となるのであれば株価上昇は苦しいだろう。これは、2003年3月期決算で経験したことだ。


企業の経営戦略と共に、利益インパクトを考える必要がある。いくら株価水準が割安でも、来期業績の見通しが悪化するようであれば、投資タイミングは先、と考えるべきだろう。





2.【米国】ゴールドマン1900億円赤字、上場来初


(出所)2008年12月17日付日本経済新聞朝刊9面より



 ●ゴールドマン・サックスも赤字に転落
 ●株価は悪材料出尽くしで大幅高
 ●金融恐慌は終局局面を迎えつつある


米金融大手ゴールドマン・サックスが16日発表した9―11月期決算は、投資資産の値下がりによる損失が響き、最終損益が21億2100万ドル(約1900億円)の赤字になった。ゴールドマンの赤字決算は1999年の上場以来初。


ゴールドマンは自己資金を使った投資の一環で、企業の未公開株や低格付けローン、不動産関連ローンなどを保有している。これらの資産は市場での流通価格が急落しており、損失計上を迫られた。


ゴールドマンは信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の損失を少額に抑えたことで、米大手投資銀では最後まで黒字を続けた。だが、金融危機と世界的な景気後退が不動産、株式、商品など幅広い資産価格の下落につながる中では、損失拡大を避けられなかった。


しかし、株価は悪材料出尽くしとばかりに大幅高となった。連邦準備理事会(FRB)による実質的なゼロ金利政策発表もあり、剥落した“信用”が全世界的に戻りつつあるためだ。


●Goldman Sachs Group, Inc. (Public, NYSE:GS)

http://finance.google.com/finance?q=gs


世界を揺るがせた金融恐慌は、終局局面を迎えつつある。さらなる悪化を懸念する声は、これからも続くと考えられるが、今年秋頃に経験した、暴力的な株価暴落の懸念は去ったと考えている。





3.【中国】中小企業の資金繰り悪化、融資獲得は4割以下


(出所)2008年12月17日付NNAニュースより



 ●中国の環境悪化は中小企業に波及
 ●貸し渋りは“悪”か?
 ●退出する企業が出る事は、長い目で見れば悪い事ではない


広東省経済貿易委員会中小企業局が実施した調査で、同省の中小企業で申請後に実際に融資を獲得した企業が、全体の39.1%にとどまっている実態が明らかになった。政府による融資支援策が相次いで打ち出されるなか、依然として資金繰りに悩む企業の実体が改めて浮き彫りになっている。


調査は、同省の成長の著しい中小企業上位500社のうち345社を中心に実施された。内訳は66.4%が珠江デルタ地域、16.5%が省東部、14.2%が省西部、2.9%が省北部の企業。このうち65.2%が「融資獲得が非常に困難」と回答し、「困難」と合わせると、全体の9割近い88.7%が困難と感じていることが分かった。


融資が受けられない要因としては◇銀行の貸し渋り◇企業力不足で、信用度が低く担保などを提供できない◇省内企業の上場が遅れている◇政府の財政投入が少ない——などが指摘されている。また銀行からの融資獲得する際の最も重要な要素として、29.3%が「担保」、28.7%が「黒字計上であること」、25.5%が「企業の信用」と答えた。


では、このニュース、悪い事か?一見すると悪いニュースも、私には中国への投資に対して強気となれる内容ではないか、と考えている。というのも、中国の金融機関は、国家の財布。本来であれば、国家が融資を拡大させるのであれば無尽蔵に貸しても良さそうなものだ。それを拒み、利益を追求し、不良債権の発生を抑えようとする姿勢は、“健全な姿”であると言える。


中国の金融機関は、世界的にみても不良債権の重しは軽い。そのことを考えれば、融資を無尽蔵に増やし不良債権が増えてしまうより、資金繰りに悩む企業が退出する事態を経験したほうが経済をよほど強くすると考える。

世界同時不況、今何をすべきか(2008.12.16)

2008年12月16日


1.世界同時不況、今何をすべきか


(出所)2008年12月16日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●竹中平蔵氏の目に映る現在の恐慌の姿とは
 ●「マネー・マーケット危機」に対応しなければならない
 ●リーダーに求められることは、こだわりを示す事


2002年から2005年にかけての株式市場は、いま考えれば非常に楽だった。賛否両論はあれど、日本の将来を強いリーダーシップを持って変えようとするリーダー、小泉純一郎氏、竹中平蔵氏の言動、行動をつぶさに観察し、投資行動を起こしていればパフォーマンスが向上したためだ。


特に、竹中平蔵氏は、著作等も含めて多いに学んだ。その竹中氏、いまのこの不況をどう見ているのか。やはり参考になる意見を多数発している。


●『市場の失敗』に『政府の失敗』が重なり、厳しい状況だ。銀行危機は日本も何度も経験したが、今起きている『マネー・マーケット危機』に対処するノウハウがなかった。百年に一度の金融危機だから仕方ないなどと言い訳するのはよくない。金融の混乱を抑えること、マクロの不況を克服すること。二つを同時にやらないといけない。


●日本経済のおかしさを象徴するのは黒字倒産。金融機関の預貸率をきちんと監視しろと金融庁に言いたい。貸し渋りや貸しはがしが言われているが、国民から100集めたら80は貸すといった基準があってもいい。金融機能強化法にも『銀行なら貸せ』というムチを盛り込むべきだ


●米国のオバマ次期大統領は長期的に国をよくすると明言し、最高の経済スタッフをそろえ、期待感をもたせた。『これがやりたい』『これをやれば経済は強くなる』とこだわりを示すのがリーダーの役割だ。日本の場合、与野党ともどんな政策課題に取り組むのかがわからない。有権者は雰囲気で選ぶしかない





2.中国の成長減速、来年は5%台も


(出所)2008年12月16日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●中国の経済成長が鈍化
 ●景気刺激策の効果との綱引き
 ●成長率が低下することは、悪い事なのか?


国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は15日、2009年の中国の経済成長率が08年の9.7%から5%台に減速する可能性があると指摘した。ロイター通信がスペインでの同専務理事の発言を伝えた。


IMFは11月、来年の中国の成長率を0.8ポイント下方修正し8.5%にとどまるとしてきたが、世界経済の減速で中国経済の失速が鮮明になっていると判断。再び予測を下方修正する見通し。


実際、朝方に発表された中国の1―11月の都市部固定資産投資は前年同期比26.8%増と、増加率は1―10月の27.2%から減速している。


中国は4兆元(約54兆円)にものぼる景気刺激策を実行しようとしている。この規模は、06年から07年にかけて成長した中国の国内総生産(GDP)の規模に匹敵する。特に、インフラ関連を中心に発展させようとしている中で、効果は徐々に出てくるだろう。


それを持ってしても、成長率が5%にとどまることが現実のものとなるのであれば、原油価格をはじめ、資源関連に大きな影響が出るだろう。また、中国国内においても雇用等、問題はかなり大きなものになるだろう。


しかし、国家の成長は、低成長になってからが本物。日本も高度経済成長が終わり、低成長時代に突入してからバブルが起こった。成長率の鈍化は、たしかに投資家の心理を弱気にさせるが、中長期においては悲観することではない。





3.OPEC大幅減産へ


(出所)2008年12月16日付日本経済新聞朝刊9面より



 ●需給バランスを回復させるため、大幅減産が必要と判断
 ●あまりにも資源価格が下落することは、世界経済にとってマイナス
 ●ある程度の価格上昇は必要


石油輸出国機構(OPEC)は17日にアルジェリアのオランで開催する臨時総会で、大幅減産に踏み切る見通しだ。世界的な景気後退に伴い原油需要は急速に減退するとみられる。需給バランスを回復するためには、大幅減産が必要と判断したようだ。 


国際エネルギー機関(IEA)によると、今年の世界石油需要は25年ぶりに前年実績を下回る見通しだ。OPEC加盟各国にとっては原油価格の下落が国家収入の減少に直結する。大幅減産で供給を絞り、価格の引き上げを狙う。 


15日午前のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅反発し、一時前週末比3.77ドル高い1バレル50.05ドルを付けた。50ドル台は今月2日以来。OPECが17日の総会で大幅減産に踏み切るとの見方から買われている。


かつては資源価格が高騰すれば世界経済は破滅に向かうと言われていた。しかし、実際は、資源価格が高騰しているときは、世界経済は危うくも成長していた。では、大きく下落した現在はどうか。今は、世界経済は100年に一度の恐慌と呼ばれるまでに落ち込んでしまっている。


資源価格はよくも悪くも景気経済を左右させる。現在の水準は、経済にとって価格が“割安”すぎるのかもしれない。経済が発展するためには、ある程度価格が上昇することは必要だ。現在の水準から上昇する事は、決して悪い事ではない。

トヨタ、世界販売2年連続減へ(2008.12.11)

2008年12月11日


1.トヨタ、世界販売2年連続減へ


(出所)2008年12月11日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●トヨタ自動車の世界販売台数が激減
 ●来期は“赤字転落”もありえるのではないか
 ●直近の株高には、慎重に対応したい


トヨタ自動車は2009年の世界販売計画(単体ベース)を700万台前半とする方針だ。世界景気減速で08年の販売は前年比5%減の800万台前後と10年ぶりの前年割れが確実だが、来年も厳しい環境が続くとみて、今年をさらに1割弱下回る計画を打ち出す。


09年の国内販売全体ではピークの07年(843万台)を1割強下回り、05年(727万台)をやや上回る水準になりそうだ。同社の販売が2年連続マイナスになるのは1991―93年の3年連続減以来。


仮に、こうした事態が想定されるとすると、2010年3月期こそがトヨタ自動車にとって最も苦しいタイミングとなる。さらに、この調子で販売台数が減少すると、あのトヨタが“赤字転落”するという可能性すらあるのではないか。


しかし、昨日の米NYにおける米国預託証券(ADR)は、大幅高を演じている。その他日系メーカーも同様だ。

※Toyota Motor Corporation (ADR) (Public, NYSE:TM)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3ATM


自動車セクターは、11月初旬にも北米自動車販売台数が26年ぶりの低水準に陥っている中、逆境高となったタイミングがあった。しかし、その後株価は大幅に下落した経緯がある。トヨタ自動車をはじめ、自動車セクターへの投資タイミングは、もう少し先と考え、慎重に対応すべきだろう。





2.スズキ、鈴木会長の社長兼務を発表


(出所)2008年12月11日付日本経済新聞朝刊11面より



 ●カリスマ経営者が、異例の再登板
 ●インド事業をどう捉えるか
 ●収益回復は、金融面とセットで考える


スズキは10日、鈴木修会長(78)が11日付で社長職を兼務すると発表した。津田紘社長(63)は健康上の理由で相談役に退く。10日、東京都内で会見した鈴木会長は「経済環境の急激な落ち込みのため緊急体制を敷く。私が先頭に立って立て直す」と強調。自動車販売が世界で落ち込むなか、異例の社長再登板で陣頭指揮を執る。


たしかに、後継者育成の遅れが浮き彫りになったという批判もあるだろう。社長候補だった鈴木会長の娘婿だった小野浩孝専務役員が昨年12月に当時52歳で死去されたことも重なったという不幸もあった。


しかし、私は異例の登板に対して、素直に期待をしたい投資家のひとりだ。同社が収益の4割を稼ぎだすインドでは、先進国同様に自動車販売に陰りが見え始め、心配の種は尽きないからだ。


インド自動車工業会(SIAM)が10日まとめた11月の国内乗用車販売は、前年同月比23.7%減の9万9983台。減少幅は1995年に統計を取り始めて以来最大となっている。


販売低迷はローンを組めない消費者が続出しているため。ただ、北米や欧米に比べインドが大きく異なるのは、まだまだインドは自動車保有世帯が少ないということ。金融恐慌のあおりを受けてはいるが、傷は明らかに浅い。いずれ金融面が正常化してくることで、自動車販売台数も再び増加傾向となるだろう。そのとき、スズキのインド事業を構築した修会長の手腕が花開いたという大きな評価となることが、今から十分に予想する事ができる。





3.三井住友FG、増資7000億円に拡大


(出所)2008年12月11日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●三井住友FGも、さらなる資本増強に踏み切る
 ●中小企業に融資が回り始めることは、日本に絶大な効果をもたらす
 ●欧米に比べ回復が早くなることで、邦銀への投資は魅力的に


三井住友フィナンシャルグループは10日、当初計画していた約4000億円の資本増強額を7000億円規模に拡大する方針を固めた。3000億円を積み増すと、貸し出し余力はその10倍の3兆円まで増やせる計算になる。


ポイントは、普通株による増資はせず、資本増強は全額、普通株に転換しない優先出資証券で調達する点。一般株主の権利が希薄化しないように配慮されている。


金融市場の混乱で銀行融資に傾いている大企業や中小企業の資金需要に積極的に応じる方針だ。三井住友銀行単体の貸出残高は08年9月末で58兆5000億円。3兆円を加えると、貸出残高を約5%増やすことになる。


これは、日本全体にとっても朗報だ。特に、メガ三グループの中でも、中小企業向け融資に強い三井住友フィナンシャルグループの貸出が増加するようなことがあれば、にわかに活気づく可能性はある。


投資信託の販売をはじめ、各行融資以外の収益拡大を図ってきてはいるものの、やはり7割、8割を融資業務からの収益で担っているのが現実。また、来年度も事業会社の業況は悪化し、不良債権が増大する可能性も否定はできない。


しかし、増資により信用が剥落していた金融業界に、信用が戻ってくる、ということは素直に評価されるべきだ。欧米金融機関に比して財務体質が健全だと言われていた邦銀も蓋を開けてみたら、世界的な金融恐慌に巻き込まれた。一方、回復は早い。金融業界への投資は前向きに検討を行うべきだと考える。

資金繰り、銀行シフト(2008.12.10)

2008年12月10日


1.資金繰り、銀行シフト


(出所)2008年12月10日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●大企業の資金繰りにも異変が
 ●直接金融から間接金融へ
 ●マネーはいつまでも滞留しているわけではない


大企業の資金調達が銀行借り入れにシフトしている。金融市場の混乱が長引き社債やコマーシャルペーパーの発行難がしばらく続くとみて、間接金融による資金確保に転換する動きが目立つ。


東芝は年度末に向けた資金需要に機動的に対応するため、複数の銀行と結んでいる借入枠を一気に合計5000億円に引き上げた。第一三共は2100億円をインド大手製薬企業の買収資金に充当。買収後も潤沢な手元資金を置いておきたいとの理由だ。まとまった規模の負債を抱えるのは同社の発足以来初めて。普通社債による長期資金調達が多い東京電力も数千億円を借り入れた。


上場企業(3月期決算企業)の手元資金は9月末で約46兆円に上る。資金需要にはある程度対応できる見通しだが、調達環境の先行きを心配する経営者は資金の「取り遅れ」を警戒している。


金融相場から緊縮相場に向かうとき現れる象徴的な動きだ。いま、最強の投資対象は現金。だから、企業も投資家もみな現金に群がる。結果、現金がリスクアセットに流れない。企業でいえば設備投資や研究開発、投資でいえば、株式や商品ということになるだろう。


しかし、いつまでも現金をため込んでいては意味がない。いずれリスクアセットに流れだすタイミングがくる。富を生み出すのは企業。そして、企業が生み出す富が株価を押し上げる。富を生み出す企業は、いま投資のチャンスをうかがっている。すでに動き出している企業もある。目先の株価にひるむことなく、積極的な企業に注目しておかなければ、次なる上昇相場で出遅れることになる。





2.ソニー1万6千人削減


(出所)2008年12月10日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●ソニーが最高益から一転リストラモードへ
 ●設備、雇用、広範囲に
 ●業績にどう反応するか、会計的な判断が必要に


ソニーがエレクトロニクス(電機)部門のリストラに乗り出す。2010年3月期末までに国内外で5、6カ所の工場を閉鎖し、来期の設備投資も計画比3割減らす。最大の課題である液晶主力のテレビ事業立て直しに向け、薄型テレビ世界2位の規模が利益に結びつかない構造にメスを入れる。リストラに踏み切る主因は、急激な為替変動と金融危機に端を発した景気悪化による販売減だ。しかも最大市場の米国で見ると、液晶テレビの価格下落率はこの1年で3割に達したとみられる。

これらを受け、雇用調整にも踏み切る。人員削減は10年3月期末までに実施、正社員が電機部門の総人員の約5%に相当する8000人、派遣社員など非正社員が8000人以上にのぼる見通し。設備投資の圧縮と合わせ、年間1000億円を上回るコスト削減を狙う。


企業のリストラモードが全開になっている。リストラモードが全開になると何が起こるか。それは、非常に単純な動きだ。本業の収益を示す営業利益は改善傾向になる。固定費削減効果が働き始めるからだ。


しかし、特別損益を考慮した後の当期純利益はどうか。リストラをすると、たしかに本業分は儲けに変わるかもしれないが、それに伴い、固定資産の除却や早期割増退職金等々、リストラにかかる一過性のコストがかかる。その結果、当期純利益は改善どころか、減益傾向、場合によっては、赤字転落ということもありえる。


考えなければならないのは、業績の悪化予想と株価のバランスだ。株価がすでに来期業績が悪化するところまで織り込んでいるのであれば、底割れの心配はないということになる。企業の精査が非常に重要な段階に入った。





3.官製時価を導入せよ


(出所)2008年12月10日付日本経済新聞朝刊4面より



 ●元産業再生機構、冨山和彦氏の考え方
 ●米国にも公的買取機関が必要
 ●100年に一度の恐慌ではない


情報収集のポイントは、自身が注目している“人物”に焦点を当てることだと思う。そうすることで、効率的に大量に体系的に情報を収集することができるからだ。


そういった意味では、元産業再生機構専務を務め、現在は経営共創基盤CEOの冨山和彦氏は、私が注目する人物の一人だ。冨山氏がいま、100年に一度の金融恐慌に対して何を感じているのか。以下に抜粋した。今後の展開を予測する上で重要なコメントだと考えている。


●CDS(クレジット・デフォルト・スワップ=損失肩代わり商品)の対象となっている企業の信用リスクなどを、公的機関が厳格に分析し、査定結果に基づいた価格で市場から買い取る。公的機関による『官製時価』が明らかになれば、実態に見合った市場の時価がつくようになる。


●米国は『会社は株主のもの』という規範や自己資本利益率(ROE)が高ければ高いほどよいという考え方を推進してきた。ただ利益はそう簡単に増えないので、資本をできるだけ小さくしてしまい、その結果、金融機関のリスクは膨らんでいった。こうした株主・ROE至上主義は一つの幻想だった。


●企業の栄枯盛衰の歴史を百年単位で振り返れば、弱者が強者にのみ込まれる再編や淘汰が活発になるのは、今回のような危機の局面だということが分かる。長い目で見れば、10ー20年に一度の頻度で起きる危機に備え、資本を手厚く持っておく意味は大きい。

| 次のページへ>>

< 01月 >

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
             

■最近の記事

米主要500社、6四半期減益へ(2009.01.06)
不良資産の将来損失、米政府が肩代わり(2009.01.05)
中国の個人投資家、08年は94%が株で損失(2008.12.30)
米年末商戦、失速鮮明に(2008.12.25)
08年成績、投信運用40%マイナス(2008.12.24)
ホンダ、下期営業赤字1900億円(2008.12.18)
金融恐慌が雇用不安を増幅(2008.12.17)
世界同時不況、今何をすべきか(2008.12.16)
トヨタ、世界販売2年連続減へ(2008.12.11)
資金繰り、銀行シフト(2008.12.10)
欧州、同時に大幅利下げ、異例の3ヵ月連続(2008.12.05)
11月の帝国データ景気動向指数、過去最低に(2008.12.04)
.「ユニクロ」、11月の既存店売上高32%増 (2008.12.03)
米景気、昨年12月に後退局面入り(2008.12.02)
パナソニック、業績下方修正(2008.11.28)
中国人民銀行、今年4回目の利下げ(2008.11.27)
FRB大型資金供給発動(2008.11.26)
シティグループ、巨額救済発表(2008.11.25)
米、来年マイナス成長も(2008.11.20)
米国債保有、中国、日本を抜き首位(2008.11.19)

■過去の記事

2009年01月
2008年12月
2008年11月
2008年10月
2008年09月
2008年08月
2008年07月
2008年06月